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「彼が憎いわ」
 彼女は僕の前で涙声で呟いた。
 恋人に裏切られた彼女。僕は彼女の呪詛に黙って耳を傾ける。
 彼と別れたのなら僕と付き合ってほしい。そんな本心は押し隠し、彼女の相談に乗りながらゆっくりと距離を縮めよう。そして、そうだ、ささやかな贈り物をするのだ。彼女の怨みを晴らすことができるような素敵な贈り物。
 一週間後、僕は贈り物を鞄に入れて彼女と会った。
 意外なことに彼女は幸せそうに微笑んでいた。
「新しい恋人ができたの」そう告げられ、僕はせっかくの贈り物を渡せなくなった。
「あ、ゴミ付いてる」彼女の肩に絡まった一本の髪の毛を摘み取る。
 贈り物は自分で使うしかない。
 僕の贈り物は一体の藁人形と五寸釘だった。

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<あとがき>
以前、Amazonで藁人形と五寸釘の「呪いセット」が売られていたのを見つけてしまい衝撃を受けました。
Amazonだから当然ギフトとして他人に贈ることもできるんだよなぁ、と思ったのが発想のきっかけです。
実際に贈ったら嫌がらせ以外の何物でもないですよね。
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